「ぎゅっとルテイン きらきらケール」ができるまで

「ぎゅっとルテイン きらきらケール」ができるまで

機能性表示食品とは何ですか?

企業の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。企業は、表示したい“健康への働き”を臨床試験や成分の文献調査によって証明し、消費者庁に届出を行っています。機能性を表示できる食品は、これまで国が個別に許可した「特定保健用食品 (トクホ)」、国の規格基準に適合した「栄養機能食品」に限られていました。2015年4月に新たに機能性表示食品制度がスタートし、この制度を利用したサプリメントや飲料などが発売されています。

機能性表示食品というと、サプリメントのイメージがありますが、野菜では珍しいのではないですか?

2019年10月時点で、機能性表示食品全体では2,000件以上の届出がありますが、このうち生鮮野菜は僅か十数件に止まっているのが現状です。露地で栽培される野菜は、季節や産地・収穫年度などにより含有成分量が変動し、栄養・機能性成分の表示値を担保するうえで大きな課題となっています。弊社の野菜は、植物工場と呼ばれる生産システムにより栽培しています。植物工場は、光や温度・水・CO2などを一定に制御した環境を保てることが特徴で、季節や外部環境の影響を受けずに機能性の目的成分含有量などの品質を安定化させた生産が可能です。“ぎゅっとルテイン きらきらケール”は、植物工場*産野菜で初めて機能性表示食品として受理されました。
*完全制御型植物工場を指します。

「ルテイン」とはどういう成分で、どんな効能があるのでしょうか?

ルテインはカロテノイドと呼ばれる色素の一種で、ケールやホウレンソウなどの野菜に多く含まれる成分です。目では網膜の中央部(黄斑)に存在しており、ブルーライト等の刺激から目を保護しています。ルテインは人間の体内で作ることができず、また加齢などにより減少するため、食事からの摂取が必要です。

なぜケールを選んだのか。

当社ではケールの栽培技術開発に約10年前から取り組んできました。ケールは栄養豊富なスーパーフードとして海外では注目されていますが、日本ではジュースや青汁原料が中心です。そこで植物工場の栽培環境技術を活かして美味しく食べられるケールを実現すれば、日本でも新しい健康野菜として多くの人に楽しんでもらい、また健康にも貢献できるのではないかと考えました。

ではなぜ、機能性表示食品にチャレンジしようと思ったのですか?

ケールが体に良いというイメージではなく、具体的にどのような良いことがあるのかを伝える方法があればと感じていました。そこで当社の技術を活かした独自のアプローチができないかと考え、ケールに豊富に含まれるルテインに着目し、国が定めた制度である機能性表示食品としての受理を目指しました。

消費者庁への届出に際し、具体的にどういう開発事項があったのですか?

ルテインの含有量を一定以上担保できるよう、サンプリング方法などを工夫しました。また、レシピで食べ方をご提案する際に、ルテインの摂取量を担保できるよう、調理による成分変化などを試験により評価しました。

栽培などで工夫した点は?

野菜を栽培するための、最適な環境を実現するところです。栽培の温度や水の条件、また特に弊社では光について工夫をしています。植物工場ではLEDの光を使っていますが、その光色や強さを野菜の種類や生育段階に応じて変更することができます。今回の商品ではケールの苦味を抑え、柔らかく美味しいことと、ルテインを安定した含有できる栽培条件を実現しています。

開発は順調に進んだのでしょうか?苦労した点があれば教えてください。

ケールの中でも品種により成分含有量に違いがあり、国内・海外に関わらず多くの品種を比較栽培・分析し、特に成分を多く含む品種を絞り込みました。品種によって最適な栽培条件も異なり、組合せは無限にあります。栽培~分析に多大な期間と工数を要し、品種選定には苦労しました。

届出が完了した時の気持ちはいかがでしたか?

栽培条件の確立には苦労しましたので、難産の末に努力が実った達成感がありました。同時に、開発に終わりは無いため、お客様に当社の野菜の良さを知って頂き、認知度を高めていくことを先の目標として見据えています。

販売がスタートしているが、お客様の反応はどうか?

2019年9月末より、阪神百貨店様にて販売をスタートしました。価格帯が若干高めなのでお客様にお買い求めいただけるか、心配な部分もありましたが、販売店様の期待も高いと感じていて、また、徐々にではあるが、販売実績も出来つつあると感じています。

「ぎゅっとルテイン きらきらケール」の今後の展開について教えてください。

今回の商品は、各家庭で楽しんでいただくことを想定していますが、中食や外食でも利用いただき、より多くのシーンで消費者の皆様に楽しんで、健康に寄与したいと考えております。

今後、どのように機能性野菜について取り組んでいくのでしょうか教えてください。

現在、野菜に含まれる他の栄養・機能性成分にも着目し、製品化に向けた開発を進めています。本商品を第一弾として、機能性野菜の製品ラインナップを拡大していく考えです。